2022.01.07

【歌が上手くなりたい】ボイトレ~メカニズム編~歌に必要な呼吸って本当に腹式呼吸?

歌を上手く歌う上でとっても重要になるのが呼吸です。
なぜなら、この呼吸の吐く息で声帯を振動させることにより『声』となるからです。

どんなに頑張ってボイトレして、声帯のコントロールなどのテクニックを習得しても吐く息が安定していなければ、いい声にはなりません。

よく歌う時の呼吸で
『歌は腹式呼吸で歌うんやで~』とか『お腹から声を出すのがイイ!!』
なんて、聴くと思いますが….。

まず、お腹から声なんて出ませんから。

もちろん「腹式呼吸」は歌を歌う上で重要な役割を果たします。
ですから、必要なテクニックといえます。

ですが、この「腹式呼吸」が邪魔をしてしまうこともあるのです。

ですから、今回は「腹式呼吸」の役割についてお届けします。
この記事を最後まで読んで頂いた後には『歌に必要な呼吸ってなんぞか』をお友だちに語れるくらいになってるはずです!それでは、参りましょう!!

呼吸にはどんな種類があるの?

呼吸には腹式呼吸胸式呼吸の大きく分けて2つの呼吸法があります。
人間は普段の生活の中で、どちらの呼吸も無意識的に行っております。

また、この2つの呼吸法ですが、完全に分かれるわけではありません。同じ肺に空気を送る呼吸の中で腹式を利用した呼吸なのか胸式を利用したものかによるだけです。

腹式呼吸だけがボイトレで推奨されるイメージですが、
実は歌を歌う時は、腹式と胸式のどちらも必要です。

それぞれの役割を理解した上で、どんな声にしたいか?どう歌いたいか?
によって使い分ける、コントロールすることが重要です。

呼吸の違いは?それぞれの役割

胸式呼吸とは

スポーツをしている時や緊張、興奮している時など
力が入ってる時の呼吸です。ラジオ体操で『大きく胸を開いて~』という時の呼吸も胸式呼吸です。

主に肋間筋(ろっかんきん)という肋骨の間の筋肉が大きく動き主に肺の上部や側部に息が入ります。
ボイトレの胸式呼吸

歌への役割

  1. 一瞬で吸える、早く吸える
  2. 声の立ち上がりをつくる瞬発力がある
  3. 高音から始まるフレーズやテンポの速い曲に必要

なぜなら…肋骨があるため、肋間筋の動きの範囲が狭いです。その分、勢いが付けやすいからです。

デメリット

反面、長く音を伸ばしたり、フレーズの最後のブレを軽減させたりする支えの機能がほぼありません。

腹式呼吸とは

睡眠、安静時、リラックスしてるときの呼吸です。

主に横隔膜(おうかくまく)という肺の底面にあるドーム状の筋肉層が大きく動き、主に肺の下部に息が入ります。
ボイトレの腹式呼吸

歌への役割

  1. 空気をたくさん吸える
  2. 息の量やスピードのコントロールに優れている
  3. 声に深みをだしたり広がりを与えることが出来る
  4. ロングトーンに適している

なぜなら…胸式に比べて筋肉の動く範囲が広いからです。

デメリット

反面、声の立ち上がりがゆっくりです。歌い出しには不向きで、アップテンポについていくのが困難です。また声の立ち上がりやスタッカート、シャウト感を出すのが難しいです。

豆知識

腹式呼吸をするとお腹が膨らんだり凹んだりします。
これは、肺と連動してる横隔膜が息を吸うことで下に下がり、吐くことで上にあがります。息を吸って横隔膜が下に下がるのですが、胴体の下には骨盤が存在する為、ある一定の位置まで降りると行き場を失くした内臓達が前や横、後ろに動いてお腹や背中が膨らみます。
このようにお腹が膨らむのは息ではなく、内臓の動きによりお腹周辺を膨らませるのです。

まとめ

ということで、上手く歌うには胸式も腹式も両方必要なのです。
声の立ち上がりを作る胸式で歌いだして、音程の安定やフレーズの最後は腹式の力を借りるのがベストです。
実際にトレーニングを始める前にこういったメカニズムを理解することで実践メニューで取り組みやすくなりますよ!引き続き、応援しています!!