2021.06.05

それ、音痴じゃないです!音程のとれない方の多くが誤解|プロが教える、自宅で簡単解消法

ボイトレスクールに通われる方の約3割りが歌に自信がない、音程がとれないという理由で通われています。音痴で悩んでいる方、音痴とまではいかずとも、なんとなく音程に自信のない方はたくさんおられます。

音痴とは音に対して感覚が鈍い人を指す言葉で、とりわけ歌唱に必要な能力が劣る人を指す言葉で使われていますよね。
音程がとれない、不安定な要因はひとつではありません。

  • そもそも音程がとれているか、とれてないかの判断がつかない
  • 音程がズレていることは分かるが、音程のコントロールが効かない
  • 人の音程の良し悪しは判断付くが自分の歌になるとよくわからない
  • 曲によって音程がとれない

など音程の聞こえ方や具合も様々なのです。その状態によって様々な改善法があります。
ですが、音程のとれない方の約8割りの方が根本的な音痴ではなく、音程の聞き方を誤解している事が主な要因となり、歌唱に自信がなくなってしまっているのです。

今回はその誤解を解き、簡単に自宅で解消できるトレーニングをご紹介します。

音程のとりにくい原因

自分の声や歌を録音した際に「え?自分ってこんな声してる?」と自分の声に違和感を抱いたことはありませんか?
人は音を聞くときに頭の横についている耳から聞いていますが、自分から発する声は2つの耳、「内耳」と「外耳」で聞いているからなのです。

「外耳」と表現しているのは普段、人の声やテレビなど周りの音を聞いている、いわゆる「耳」です。
一方、自分の声については「内耳」や「骨伝導音」とも言われますが、骨伝導によって自分の声がカラダの内部から響いてくる音なのです。
声を出すのは喉にある声帯が息の流れのより振動する事で音となるのですが、それが骨を伝って直接響くため骨伝導という現象が起こります。つまり、自分の声は、身体から直接聞こえているのです。
骨伝導は自身にしか感じない為、録音した自分の声を「外耳」だけで聞くと違って聞こえるのです。

音程をしっかり合わせるには、人が聞いてる側の「外耳」を使って自分の声を周りの音と同じように聴くという事が、とても重要なのです。

音程をしっかりとコントロール出来る方は「内耳」と「外耳」の使い分けが上手です。音程の枠を超えた歌唱法には「内耳」も必要な要素になりますが、音程の取り難い方は「内耳」で聞いてる割合が多いので、「外耳」から聞く意識をもちましょう。

自宅で簡単解消法

「外耳」で聞くには?
自分の口から出ている声を、自分の耳で聞く必要があります。
ここで自宅で誰にもできる音程トレーニング、きっとどこのご家庭にもある「洗面器」を使って歌ってみましょう。

音痴解消法

このイラストのように自分の顔の正面に洗面器のくぼみを向け、声を出してみましょう。自分の声が洗面器に反響して外耳からの音が聞こえやすくなります。
このように自分の声を主に外耳から聞くと音程のコントロールがし易くなります。

洗面器でなくても自分の声が反響しやすい環境で「外耳」を鍛えてみましょう。
音程だけでなく、リズムや声質など、より明確にコントロールが出来るようになります。

まとめ

音痴と聞くと治らないようなイメージを受けますが、このように声や歌の聞こえ方が要因の場合はトレーニングですぐ改善できます。
もちろんボイストレーニングを受けて「外耳」のトレーニングをするのが効果的ですが、自宅でも簡単にできる方法を紹介しました。
是非、チャレンジして自分の声や歌に自信をもってくださいね!
歌うことが更に楽しくなりますように!応援しています。